新宿御苑の基本情報
以下では「新宿御苑」の基本情報についてご紹介します。
歴史
新宿御苑の前身は、江戸時代に信濃高遠藩・内藤家の下屋敷のあった敷地。その後、1879年(明治12年)に新宿植物御苑が開設され、宮内省(現在の宮内庁)の管轄となった。第二次世界大戦後は環境省の管轄となり、現在は国民公園として一般に公開されている。
備考
面積は約58万平方メートル。「日本庭園」、「イギリス風景式庭園」、「フランス式整形庭園」が混在しており、樹木の数は1万本を超える。桜の名所としても有名。ちなみに「国民公園」とは環境省が管理する公園のことで、他に皇居外苑と京都御苑とがある。
利用案内
- 9:00~16:00
- 月曜定休
- 高校生以上:200円
- 中学生以下:50円
- 幼児:無料
- 団体割引・年間パスあり
住所
東京都新宿区内藤町11
アクセス
- JR・京王・小田急線「新宿駅南口」
- JR中央・総武線「千駄ケ谷駅」
- 東京メトロ丸ノ内線「新宿御苑前駅」
- 東京メトロ副都心線「北参道駅」
- 都営大江戸線「国立競技場駅」
- 都営新宿線「新宿三丁目駅」
- 西武新宿線「西武新宿駅」
電話番号
03-3350-0151
公式サイト
新宿御苑の写真や動画
以下では「新宿御苑」について写真付きでご紹介します。
「新宿御苑・新宿門」。門は北に位置するここのほかに「千駄ヶ谷門」(南)と「大木戸門」(東)とがある。入園料は高校生以上が200円、中学生以下が50円で、電車の改札のようなゲートにチケットを入れて入園するシステム。
「スイセン」。多年草で、冬から春にかけて白や黄の花を咲かせるものが多い。これは新宿門に近い北の小道に植えられているもの。
「母と子の森」。園内の西にあるエリア。子供でも楽しめるよう、鳥、昆虫、植物に関する様々な解説プレートが用意されている。ただし、昆虫採集は禁止。
「モミジハスズカケノキの種」。小粒のドリアンを思わせる奇妙な形。モミジハスズカケノキは明治頃に輸入された外来種。園内には樹齢100年を超えるものもあり、高さは30メートル、幹の周囲は3メートル近くにまで成長するという。
「メタセコイヤ」。メタセコイヤは、昭和21年に中国で発見されて以降、日本にも植えられるようになった樹木で、まっすぐ天に伸びる幹が特徴。生きている植物よりも化石の方が先に発見されていたことから「生きている化石」とも呼ばれる。園内に散在しているが、これは「母と子の森」にあるもの。
「ラクウショウ」。秋になると、枝が鳥の羽のように落ちることから「落羽松」と呼ばれる。地面から飛び出したゴツゴツした塊は松の根の一部で「気根」といい、地上や水面上の酸素を取り入れる働きがあるという。園内では「母と子の森」だけで見られる。
西の小道の「サザンカ」。サザンカ(山茶花)は、秋の終わりから冬にかけて花を咲かせる、ツバキ科の常緑広葉樹。童謡「たきび」にも登場する。
「楽羽亭」(らくうてい)。上の池の近く。オープンは10:00~16:00で、抹茶・和菓子付きの「呈茶」サービスを700円で提供している。
「御凉亭・内部」。窓台から池を眺めたところ。御凉亭は、港区虎ノ門にある「大倉集古館」と並ぶ本格的な中国風建築物で、東京都選定歴史的建造物に指定されている。休憩所が卍型になっているなど、清朝中期以降の台湾で用いられた「関南建築様式」が随所に見られる。
「桜園地」。千駄ヶ谷門の近く。桜は御苑内に約1,300本あり、春になると花見客で大いに賑わう。「日本さくら名所100選」にも選定されており、例年4月上旬には内閣総理大臣主催の「桜を見る会」が開催される。
「セイヨウトチノキ」。セイヨウトチノキはマロニエとも呼ばれ、パリのシャンゼリゼ通りの街路樹として有名。日本で最初に植えられたのがここ新宿御苑であり、時は明治20~30年頃だと言われている。御苑内では南の小道だけにあり、花が咲くのは5月頃。
下の池近くの「カエデ」。カエデ類は葉の形が「カエルの手」に似ていることから命名されたという説がある。種類が多く、色のバリエーションも赤、黄色、茶色と豊富。御苑内には「ハウチワカエデ」(大)、「トウカエデ」(中)、「イロハモジミ」(小)など、形や大きさの異なる複数の種類が植えられている。
「ツツジ山」。ツツジは4月から5月にかけて、先端が五方向に分裂している漏斗状の花を数個枝先につける。中の池に隣接したこのエリアは、ツツジの名所として知られる。
「中の池」(なかのいけ)。御苑内の池にはヘドロが溜まるので、10~20年に一回のペースで大掃除をするという。冬の間に池の水を抜き、ヘドロを取り出したら、そのヘドロを御苑内に10年くらい寝かせる。ヘドロが熟成したタイミングで御苑内の盛り土や菊の栽培土として再利用する。
「擬木の橋」。擬木(ぎぼく)とは、コンクリートや石を木の幹に似せて作ったもののこと。明治38年にフランスから購入したもので、日本で最初の擬木と言われている。橋の向こうに見えるのは「下の池」(しものいけ)。
「プラタナス並木」。南にあるバラ園を挟むようにして立っている。プラタナスはスズカケノキ科スズカケノキ属に属する植物の総称で、街路樹や庭園樹として広く用いられる。新宿御苑は当初、東京の街路樹に利用するプラタナスの挿し枝や種子の供給源だった。
「バラ園」。フランス式整形庭園の代表的な景観の一つ。ベルサイユ園芸学校教授、アンリー・マルチネーが描いた御苑の設計図では、すでにこのバラ園の姿を見ることができる。
「玉藻池」(たまもいけ)。苑の東、大木戸門を入った突き当たりにある玉藻池は、安永元年(1772)に玉川上水の余った水を利用して完成した。この玉藻池を含む回遊式日本庭園は、内藤家下屋敷の庭園「玉川園」の遺構。
「タイサンボク」。大温室の前にあるモクレン科の樹木。北アメリカ原産の常緑高木で、明治20~30年頃、日本で始めて当御苑内に植えられた。大きな花や葉のバランスが良く、樹形が美しいことから、中国山東省にある名山・泰山にたとえて命名された。6~7月になると白い花を咲かせる。
「大温室」。この大温室内では、1958年(昭和33年)に完成した隣接する大型温室で育てられた植物の一部を観賞できる。大型温室では、環境省レッドリスト記載種約170種(うち絶滅危惧種約140種)の栽培が行われている。
「大温室・内部」。非常に蒸し暑いため、長時間の滞在は難しい。
「旧洋館御休所」。新宿門と大木戸門の中間にある。皇室の休憩所として宮内省により設計され、明治29年(1896)に建設された木造の平屋で、国の重要文化財に指定されている。1860~90年代にアメリカで流行した「スティック様式」を取り入れた、現在では珍しい洋風建築物。