旧芝離宮恩賜庭園の基本情報
以下では「旧芝離宮恩賜庭園」の基本情報についてご紹介します。
歴史
延宝6年(1678年)に老中・大久保忠朝が四代将軍家綱から土地を拝領し、小田原から庭師を呼びよせて「楽壽園」と呼ばれる庭園を造ったのが起源。幕末頃は紀州徳川家の屋敷となり、明治4年には有栖川宮家の所有となった。関東大震災後の大正13年には、皇太子(昭和天皇)のご成婚記念として東京市に下賜され、今日に至る。
備考
江戸初期の大名庭園の一つで、昭和54年には文化財保護法により、国の「名勝」に指定された。ぐるりと一周して景色をめでるため「回遊式泉水庭園」と呼ばれる。総面積は約4万3千平方メートル。なお、「芝離宮」も近くにある「浜離宮」も、共に下賜された庭園であるため、本来両方に「旧」が付くところ。しかしなぜか芝離宮の方にだけ「旧」が付くため、両者の呼称が若干わかりにくくなっている。
利用案内
- 9:00~17:00
- 年末年始休園
- 一般:150円
- 65歳以上:70円
- 団体割引・年間パスあり
住所
東京都港区海岸1
アクセス
- JR山手線「浜松町駅」
- JR京浜東北線「浜松町駅」
- 都営大江戸線「大門駅」
- 都営浅草線「大門駅」
- ゆりかもめ「竹芝駅」
電話番号
03-3434-4029
公式サイト
旧芝離宮恩賜庭園の写真や動画
以下では「旧芝離宮恩賜庭園」について写真付きでご紹介します。
旧芝離宮恩賜庭園の入口。一般は150円で65歳以上が70円。近くがオフィス街なので、お昼休みの会社員なども気軽に利用している。利用時間は9:00~17:00。
「藤棚」。春になるとフジ、サツキ、ユキヤナギ、サクラなどが花を開く。
「弓道場」。入園料とは別に1時間140円かかる。
「海水取り入れ口跡」。かつて「潮入の池」(しおいりのいけ)に海水を取り入れるために設けられた水路。「潮入」とは、海の水位に合わせて池の趣が変わる様式のことで、現在都内では唯一、「浜離宮恩賜庭園」にだけ残っている。
「唐津山」(からつやま)。庭園の原型を作った大久保忠朝が、以前は唐津藩主であったことから、その名を冠して作られたといわれている。
「大島」。泉水の南に位置する、園内最大の小島。「鯛橋」という一枚岩の橋でつながっている。
「根府川山」(ねぶかわやま)。大久保忠朝の藩地・小田原から運び入れた火山石などからなる山。手前に見えるのが大島につながる「鯛橋」。
「石柱」。大久保忠朝が小田原藩主を務めていた頃、後北条氏に仕えた戦国武将・松田憲秀旧邸の門柱を運び入れたものと伝えられる。使途は不明だが、恐らく茶室の柱として用いられたと考えられる。
「芝生広場」。庭園の南西に位置し、泉水からは最も離れた場所にある。それほど広くはない。
「枯滝の石組」(かれたきのいしぐみ)。山間を流れる滝をイメージした石組み。ちょうど川床に相当する部分が通路になっている。
「西湖の堤」(せいこのつつみ)。中国の杭州(現在の浙江省)にある「西湖」の堤を模したもの。デザインは北総時代の詩人・蘇東坡(そとうば)と伝えられる。当園の他では、小石川後楽園にあり。
「中島」。池の中央に位置する小島で、「八つ橋」および「西湖の堤」によって陸地と連絡している。石組みは、仙人が住むという中国思想上の伝説の山「蓬莱山」(ほうらいさん)を模しており、庭園を開いた大久保忠朝の時代からあるという。
「雪見灯篭」(ゆきみどうろう)。主に水面を照らすために用いられる灯篭の一種で、笠の部分が大きく水際に設置することが多い。笠の丸い「丸雪見」と六角形の「六角雪見」とがあるが、当園のものは丸型。